施術例Ⅱ
第1部 背部痛の経験 1/3
背中の痛み
背中にズキッとするような痛みが出ることがあった。
何をした後にこういうことになったかといえば・・・
パソコンの前に座り続けていることが数日続いた後に
車を1時間半以上連続運転すると
ほぼ間違いなくこうなった。
背中が凝ったなーと
ぎゅーっと背中に力を入れて伸びをした時に
つったように筋肉が異常にちぢむ感じがしたのち
背中から肋骨にかけて痛みが出て
しばらく動けなくなった。
あまりにも刺すような痛みが出るため
重大な医学的疾患にみまわれたか?
と心配になるぐらい痛んだ。
筋肉がこり過ぎて
どこかの血管が圧迫され
一時的な虚血状態になったのか?
神経が圧迫されているのか?
関節周辺を無理に動かして
急性炎症が起きているのか?
どちらにしても、早くおさまらないかな。
と思いながら、解決策を考えていた。
31歳を超えたころから
※(2015年現在。44歳になり、今ではこの症状を退治できるようになりました。)
ますます筋肉の疲労回復時間がかかるようになってきたと感じ
実際に痛みも出やすくなってきている。
これは、今までのように集中して作業をしてはいけない。
疲労を感じたら
こまめにそれを解消しながら体を使わなくては。
と思いながらも
3,4回この痛みに襲われるまで生活習慣を変えることは難しかった
さすがに数回この痛みを経験すると
どのような経過をたどってこの痛みが出現し
どのように消えていくのか
また
どのような背中の感覚の時には
痛みがでないのかについて理解が深まった。
観察
痛みの出るきっかけは上述したとおりで
痛みのおさまり方は
背中の筋肉がギリギリと締め上げられているような
急性の硬縮感が
15分~30分もするとうすらぎ
それにともなって刺すような痛みが低下する
という流れだ。
血流が回復したからなのか
神経の圧迫が解放されたからなのか
炎症にともなう疼痛誘発物質が拡散したからなのか
痛みの部位を直接観察する方法があればな
と思いながら
その後数時間から数日の背中の筋肉の違和感を観察した。
原因箇所の探索
痛みがなくなった後の背中には
体を全ての方向へ
関節可動域いっぱいまで動かしてみて
初めてわかるような動きの制限がある。
手が届かないので
ゴルフボールを背中にはさんで寝転がり
固まっている筋肉を
探し出す。
固まっている筋肉が
一時的な緊張によるものなのか
それとも長期にわたって緊張が抜けなかった結果
癒着・カルシウムの沈着・変性などが起きているようなものなのか
どっちだろうと思いながら
ゴルフボール押圧を30分ほど続ける。
仮説設定
筋肉の硬縮が
- 一時的な筋の過緊張
によるものであれば
ゴルフボールなどによる
虚血圧迫の刺激を上手に体に与えれば
短時間でコリは解消されるはずだ。
もし、筋肉の硬縮が
筋繊維の癒着や変性をともなうものであれば
数十分押さえたぐらいでは
気持ちが良かっただけで
翌日以降も
その部位の筋の硬さは
変っていないだろう。
1次的対処
実際自分の背中の筋肉は
どちらの状態なのだろう。
おそらく一時的な
過緊張になっている部位もあれば
少々厄介な
長年の蓄積によって
動けなくなっているところもあるだろう
と予期しながら
2,3日刺激を与え変化を観察した。
1次的対処の結果
予測どおり刺激を与えてまもなく
皮膚が薄くなって
背骨の形がよくわかるというか
薄皮をはさんで
骨にボールがゴツゴツとあたる感触になる程度に
固まって
分厚く
感じられていた筋肉がほぐれてうすくなってきた。
この感覚が出る部位は
- 一時的な筋肉の過緊張
が起きていたと考えて問題ないだろう。
筋肉の厚さの変化にともないながら
背中の違和感や
痛みの起きた部位周辺の
動きの制限感がなくなってきて
からだ全体にホッとしたような開放感が増してきた。
1次的対処の終了
ここまでくると
いかに人間わすれっぽいかを実感した。
先に痛みが起きたときは
重大な病気か?
と心配になっていた感情は
すっかりどこかに行ってしまっている
ようだった。
予防措置
数回同じ痛みを経験して
背中が固まりだす予兆というか
こわばりだす感覚が
より敏感に感じ取れるようになり
あと何時間ぐらい無理をしたら痛みが出るな・・・
という予測が立てられるようになった。
背中にコリを感じ始めたら
早めに筋肉をほぐす行動を取っているのもプラスだと思う。
できるだけその日のうちに
できなくても数日以内には
ゴルフボール・金魚運動・軽い筋トレ・ストレッチボール上でのストレッチ・・・
このうちのどれかは実践している。
おかげで
ストレッチをするたびに
ここも固まってきている、ここも固まってきている・・・
と、からだをほぐすのが忙しくなった。
ただ、がんばって自分で自分をほぐした後は
はー生きていて良かった・・・
と思える開放感があり
かなり脳のストレスレベルも低下するので
めんどうな作業ではあるけど
人にもお勧めしたいと思う。
どのような背中の感覚の時には痛みが出ないのか
といえば
当たり前といえばそうなのだが
全く背中にはりを感じない
腕やからだをどの方向に動かしてもツッパリ感がなく
関節がひっかかって
動きが止まる感じの時だ。
こんな感覚の日は、一日がとても軽快だ。